第一話.リーザの日記

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その国には、体内にある『魔力』を使い万物を自在に操り、時を渡る術を持った女がいたという。 人々そんな力を持った女を異端視し忌み嫌い、恐れた。国王も例外ではなくその女を恐れ、ついには処刑してしまった。 女を火炙りにし、その亡骸を曝し物にしたのだ。 このことは歴史書にも刻まれている。 たが、不思議なことに、誰もがその存在を知っているというのにも関わらず、彼女の出実経歴はおろか、名前さえ語られてはいなかった。 記されもしていない。 そのうちに、彼女の存在を知るものは減り、ついには誰もいなくなってしまった。 彼らを除いては。 つまりは、いっさいが謎に包まれていた。 ただ、『魔女』の存在だけはしっかりと人々の記憶に刻み込まれていた。 その後、その国ではその女のような魔力を持ち術を扱う女のことを―――――――――――― 『魔女』と呼んでいる。
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