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橘は、にやけた顔で更に目を細め愉しげに口を開く。
「『俺らが勝ったらお前、俺らと友達になれよ。本気の勝負と言やぁ賞品があって然り、だろう?』」
なぁ、鈴(りん)ちゃん?
わざとらしく優しく呼びかける橘を睨み付けていれば、次いで如月が口を開いた。
「悠樹は『俺ら』って言ったんだ。『俺ら』が『悠樹と拓也』だけなんて一言も断定してないんだよ」
「……っふざけんな……っ」
無茶苦茶な屁理屈こねやがって……っ!!
つまり、と言葉を続ける如月を鋭く睨み付ける。
「お前は、最初から俺も含んだ“俺ら”との勝負を受けたってわけだ」
「……っ…………!」
無茶苦茶なことを言ってるはずなのに、如月のそれは論理的には間違っておらず、否定のしようがない。
如月のそれに反論できないまま、でも、と考える。
例え如月の“それ”を認めたとしても……
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