主人公鉄則5「お人好し」

17/23
前へ
/145ページ
次へ
橘は、にやけた顔で更に目を細め愉しげに口を開く。 「『俺らが勝ったらお前、俺らと友達になれよ。本気の勝負と言やぁ賞品があって然り、だろう?』」 なぁ、鈴(りん)ちゃん? わざとらしく優しく呼びかける橘を睨み付けていれば、次いで如月が口を開いた。 「悠樹は『俺ら』って言ったんだ。『俺ら』が『悠樹と拓也』だけなんて一言も断定してないんだよ」 「……っふざけんな……っ」 無茶苦茶な屁理屈こねやがって……っ!! つまり、と言葉を続ける如月を鋭く睨み付ける。 「お前は、最初から俺も含んだ“俺ら”との勝負を受けたってわけだ」 「……っ…………!」 無茶苦茶なことを言ってるはずなのに、如月のそれは論理的には間違っておらず、否定のしようがない。 如月のそれに反論できないまま、でも、と考える。 例え如月の“それ”を認めたとしても……
/145ページ

最初のコメントを投稿しよう!

391人が本棚に入れています
本棚に追加