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『……と、拓也が言いたかったのはこういうことだ』
どうやら理解ってもらえたようで良かった。
ニヤニヤと笑みを浮かべる如月をきつく睨み付ける。
今しがたなされた如月の説明曰く、『鬼ごっこ』は今回の“勝負”の延長戦。
ルールは単純明解。
制限時間は一時間。逃走範囲はこの学校から半径3キロ以内――……ちょうど俺の家が位置する辺りの距離だ。
三人から逃げ切れば俺の勝ち、捕まれば如月たちの勝ち。
この“延長戦”と称された鬼ごっこは、先程まで彼らが並べに並べたてた屁理屈に、残念ながら俺が納得していないようだから仕方なく……と、いうことらしい。
つまり、『チャンスをやるからこれで勝負に白黒つけようぜ、せいぜい抗え』、と。
……これを聞かされている間、必死で堪えていた俺の心中お察し頂けるだろうか。
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