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心底、数分前の自分の頬を引っ叩きたい。
脳内は後悔と自己嫌悪に埋めつくされていたが、今更いくら思ったところで現状は変わらない。
とりあえず今は制限時間一杯、彼らから逃げ切ることが先決だ。
気持ちを切り替えると同時に、再度気配を消すことに集中する。
ふと携帯の時計を確認すればあれから20分弱が経過していた。
――……20分か。そろそろ此処も、捜索範囲になるか?
行き交う人々の群れを注意深く視線で探り、彼らの姿がないことを確認する。
――……まだ来てはいない、か……。
だが逃走範囲の境界がちょうど俺の家辺りなのは、間違いなくわざとだ。
そうとなれば普通に帰宅したのでは、奴らは絶対に家まで追ってくるだろう。
もしかすると、今頃どれか一人うちの付近に待ち伏せている可能性もある。
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