391人が本棚に入れています
本棚に追加
彼らの追跡能力に驚きをこえて恐怖すら感じつつ、彼らの様子を観察する。
……しかし、女子に人気が高いとは噂で聞いていたが……あいつら本当にモテるんだな。
周囲を取り囲むようにして黄色い声をあげて騒ぐ女子の大群は……むしろ恐怖しか感じない。
「悠くん悠くん、今度はいつ遊んでくれる?」
「悪いな、また今度。絶対連絡するからいいこで待っててくれるか?」
「悠樹、私との約束忘れてないわよね?」
「もちろん。お前との約束を忘れるはずがないだろ」
次から次へと重ねられる彼女たちの言葉を、橘は安っぽい言葉と創り笑顔で(俺にはどう見てもそうとしか見えない。)軽く交わしていく。
彼女たちはそれに更に頬を紅潮させ黄色い悲鳴を高めた。
そんな彼女たちの姿が遠い昔の記憶と重なって、心に冷ややかな感情(もの)が浮かぶ。
最初のコメントを投稿しよう!