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……まぁ、俺も人のことは言えないけど。
ふ、と嘲笑して視線を橘から外す。
すると自然と、橘の少し離れたところにいる如月と水城が視界に入った。
主な女子の対応をしているのは橘だが、如月や水城に声をかける女子も少なくないようで、彼らも数人の女子に囲まれている。
ただし、その反応は橘とは大きくかけ離れていたが。
「如月くん、今度勉強教えてくれる?」
「あの、如月くん……良かったら私も……」
如月は周囲の女子の言葉など全く意に介さず、それどころか存在自体を無視している。
「あの…」
「うるさい。黙って」
それでも諦めない彼女たちに一言、吐き捨てるようにして言葉を落とし、しらけた顔で視線を遠くに向け、彼女たちを視界から外した。
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