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――……そうだ。理解なんか、できるはずがないんだ。
ギュッと拳を握り、波立ち溢れそうになる感情を抑えて、気配を消すことに専念する。
ここで見つかってしまっては意味がない。
幾分落ち着いてから1つ小さく息を吐き、再度彼らの様子を覗いた。
「――……?」
そして目にした状況に首を傾げる。
――……なんだ?何か様子がおかしい……。
先ほどまであれほど騒いでいた女子たちは静かになり、みんな怯えたようにその場を走り去る。
そして残った橘たち三人を囲むように、数人の男たちが立ちはだかっていた。
うっわ……あからさまにガラ悪……つか三人相手にどんだけの人数……
数えて見れば男たちは全部で八人居る。
なんとも典型的な徒党を組んで意気がるタイプの不良に内心呆れ果てたところで、ふと気づく。
「――……ん?」
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