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「……っ……嘗めてんのかってめぇ!」
集団の中心人物らしき男が怒声を飛ばす。
それすらもうっとおしいと謂わんばかりに如月が冷酷な瞳で一瞥したのちに視界を男から外した。
「――――っ……!!」
男は怒りで顔を赤くし、再び叫んだ。
「てめぇらも北高だな!昨日の地味眼鏡といい、てめぇら北高の奴ぁどいつもこいつもムカつくんだよ!!」
調子乗ってんじゃねぇぞ!
響きわたる男の言葉に、一瞬思考が止まる。
――……北高って、うちの学校、だよな……
嫌な予感に、顔が微かにひきつる。
そんな俺の内心を理解した上でわざと肯定するかのように(そんな訳あるはずないのだが)、それまで男達に興味すら示さなかった橘が、あ、と声を溢す。
そして視線と指先を男たちに向け、口を開いた。
「お前ら昨日鈴斗に絡んでた奴らか」
そういや何人か気配が一緒だわ、と呟く橘の言葉に、如月と水城も男たちに興味を持ったようだ。
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