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「へぇ……あの子に?」
「そりゃまたなんとも……」
「…………っ……」
面白い、と溢した二人の愉しげな笑みと、その鋭い視線に男が一瞬怯んだ。
しかし彼らの言葉を理解するや、すぐさまそれを立て直して口を開く。
「な、なんだよ……お前ら地味眼鏡の知り合いかよ。そりゃ探す手間が省けて助かるぜ。あいつにはコケにされた借りを返さねえと気がすまねぇんだよ」
男は汚なく笑みに顔を歪めて手をひとふり、背後の仲間達に合図する。
それに伴い、今まで後ろで黙っていた男たちがぞろぞろと三人を囲うように動きだす。
「痛い目みたくなけりゃ、今すぐあいつをここに呼び出しな。といっても、お前らにも馬鹿にした詫びはきっちりと払ってもらうけどな」
そう言って男がニヤニヤと笑う。
「……だってさ」
どうする?
男の言葉に水城が小さくため息を吐きつつ、呆れたように呟いた。
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