主人公鉄則6「押しに弱い」

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「――……っ……やっちまえ!」 顔を怒りに染め上げた男たちが、怒声と共に一斉に三人に仕掛ける。 ――……三人を相手にこれだけの人数で一斉攻撃かよ……。 「……本当にゲスな奴らだな」 胸糞が悪い光景に微かに舌を打つ。 しかし、当の三人は慌てる様子は皆無で、むしろ更に呆れを滲ませた表情でため息を吐くと共に、次々と襲いくる男たちの拳や蹴りを避けていた。 「……へぇ……」 水城は無論、橘と如月も身体能力はそこらの人間よりズバ抜けて高いらしい。 俺に瞬殺されたあの橘ですら軽々と男たちの攻撃をいなしていて、予想外の二人の戦闘能力に少しばかり驚いた。 ……まぁ、あくまでも“そこらの奴よりは”だけどな。 三人が巻き起こしたとはいえ、俺が原因であると言えなくもないトラブルに、多少の罪悪感を感じたが、これなら心配はいらないようだ。 ……いや、大して心配なんかしちゃいないが。 むしろ俺につきまとうあいつらの自業自得だし、これであいつらの足止めになるんだから丁度いいじゃないか。
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