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「――……っ……やっちまえ!」
顔を怒りに染め上げた男たちが、怒声と共に一斉に三人に仕掛ける。
――……三人を相手にこれだけの人数で一斉攻撃かよ……。
「……本当にゲスな奴らだな」
胸糞が悪い光景に微かに舌を打つ。
しかし、当の三人は慌てる様子は皆無で、むしろ更に呆れを滲ませた表情でため息を吐くと共に、次々と襲いくる男たちの拳や蹴りを避けていた。
「……へぇ……」
水城は無論、橘と如月も身体能力はそこらの人間よりズバ抜けて高いらしい。
俺に瞬殺されたあの橘ですら軽々と男たちの攻撃をいなしていて、予想外の二人の戦闘能力に少しばかり驚いた。
……まぁ、あくまでも“そこらの奴よりは”だけどな。
三人が巻き起こしたとはいえ、俺が原因であると言えなくもないトラブルに、多少の罪悪感を感じたが、これなら心配はいらないようだ。
……いや、大して心配なんかしちゃいないが。
むしろ俺につきまとうあいつらの自業自得だし、これであいつらの足止めになるんだから丁度いいじゃないか。
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