主人公鉄則6「押しに弱い」

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すると俺の心の底からの叫びを気にする様子もなく、如月が笑う。 「馬鹿だろうと何だろうと構わないさ。お前との勝負に勝てるなら」 瞬間、俺は数秒の間ぴしりと身を固める。ついでに思考もとまった。 ……騙されたことがショックで約束を忘れかけていたが、急速の思いだし、サッと素早く思考が回り出す。 ”俺を時間内に捕まえれば三人の勝ち、俺が負ければ三人と友達になる。” そういう勝負だ。……そうだ、確かにそう約束した。 ……これは俺の敗北、なのだろうか。 いや、確かにそう約束はしたし、賭の内容には負けたといえる……。 だ・け・ど。 「ふっざけんな!まさかこの卑怯な勝ち方で勝負を有効にする気かっ!?」 普通になしだろ!無効だ無効!! 「騙されたことは確かにしてやられたと思うけど……っ、これは明らかに反則だろ!!勝負自体が無効だ!!」 こんな屈辱な負け方、認められるわけないじゃないか!! なんとかこの窮地を脱しようと、必死に噛みつく勢いで叫ぶ。 だが、橘と水城は表情を変えることなく、むしろ愉しげに目を細め、口角をつり上げた。 そして、橘が口を開く。 「いいや、勝負は有効だぞ。お前は素直に負けを認めて俺達と友達になるんだ」 ……何を勝手なことを……っ 俺が抗議の声を上げるよりも早く、続けて水城が言葉を引き継ぐ。
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