主人公鉄則7「諦めが悪い」

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口に出すのは馬鹿がやることだ。 だんまりを決め込む俺に、姉貴は溜息を吐いた。 「…………まぁいいわ。今のは見逃してあげる」 本題はここからよ。 その一言に安堵しつつ、姉貴のいう本題とやらを考える。 ーー……どれのことだ。 いったい何がバレたのだろうかという思案を、表情には出さずに姉貴を見上げた。 「改まって何だよ?」 「……あなた、昨日帰ってきてから様子が変だったわよね」 ーー…………昨、日……? ギクリ、と身体が強ばるのを自覚する。 ……昨日…………何かあったか? それとは真逆に脳は何かを思い出すことを拒否している。 ……いや、思い出すも何も、昨日は何もなかったはずだ。 「……別にそんなことないだろ」 姉貴の気のせいであってくれ、むしろその思い出してはいけない“何か”が夢であってくれ、と縋る思いで言葉を返す。 しかし、無情にもその思いはすぐさま姉貴に叩き潰された。 「いいえ。明らかに様子がおかしかったわよ。私だけじゃなくて鐘だって気づいてたもの」 さぁ、何があったの?何かあったなら今すぐ白状しなさい。
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