主人公鉄則1「トラブルホイホイ」

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しつこいんだよ! 響のあくまでも鈴斗を“トラブルメーカー”として扱う態度に苛立ち、思わず叫ぶ。 そんな弟を見て、響は殊更楽しそうに笑った。 そんな彼女に続くように、鐘がいいことを思い付いたとばかりに瞳を輝かせる。 「鈴は“トラブルメーカー”じゃなくて“トラブルメーカーホイホイ”だな!略してトラブルホイホイ!」 「あら、言えてるわね」 ドヤ顔の鐘に、更には珍しく響までがそれに同意を示す。 うまくねーからな?ぜんっぜんうまくねーからなっ!何、うまいこと言った感出してんだよ! 鐘のドヤ顔に腹が立つし、響の便乗にも腹が立つ。つっこみたいことだって山のようにある――……が、とりあえず鈴斗は一言だけ叫んだ。 「ゴ●ブリホイホイかよ!」 俺にはゴ●ブリが集るっていう意味か!ならその筆頭はお前だよ、この害虫が! どうしても捨て置けなかった部分に異議を申し立て、元凶の鐘をギロリと睨みつけた。 しかし、当の本人はまったく意にかえさない。どころか、満面の笑みで納得したように頷いている。 「いいじゃないか、トラブルホイホイ。特殊スキルだぞ」 「そんなスキル持ってねぇよ!勝手に変なスペックつけんな!」 人の話を聞きやしない兄の顎を、鈴斗は怒りに任せて下から思い切り蹴りあげる。 派手な音をたてて蹴りあげられた彼は、そのまま再びソファーに身を沈めることになった。
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