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しつこいんだよ!
響のあくまでも鈴斗を“トラブルメーカー”として扱う態度に苛立ち、思わず叫ぶ。
そんな弟を見て、響は殊更楽しそうに笑った。
そんな彼女に続くように、鐘がいいことを思い付いたとばかりに瞳を輝かせる。
「鈴は“トラブルメーカー”じゃなくて“トラブルメーカーホイホイ”だな!略してトラブルホイホイ!」
「あら、言えてるわね」
ドヤ顔の鐘に、更には珍しく響までがそれに同意を示す。
うまくねーからな?ぜんっぜんうまくねーからなっ!何、うまいこと言った感出してんだよ!
鐘のドヤ顔に腹が立つし、響の便乗にも腹が立つ。つっこみたいことだって山のようにある――……が、とりあえず鈴斗は一言だけ叫んだ。
「ゴ●ブリホイホイかよ!」
俺にはゴ●ブリが集るっていう意味か!ならその筆頭はお前だよ、この害虫が!
どうしても捨て置けなかった部分に異議を申し立て、元凶の鐘をギロリと睨みつけた。
しかし、当の本人はまったく意にかえさない。どころか、満面の笑みで納得したように頷いている。
「いいじゃないか、トラブルホイホイ。特殊スキルだぞ」
「そんなスキル持ってねぇよ!勝手に変なスペックつけんな!」
人の話を聞きやしない兄の顎を、鈴斗は怒りに任せて下から思い切り蹴りあげる。
派手な音をたてて蹴りあげられた彼は、そのまま再びソファーに身を沈めることになった。
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