主人公鉄則2「容姿端麗」

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「――…鐘兄ちゃん、お出かけ、だめ?」 伏せていた顔をあげ、さらけだした顔で兄貴を見上げる。 小首を傾げて、お願い、と呟いたのがとどめだった。 「――……っ!!あ…あぁ…っ…大きな瞳、長い睫毛っ、…小さな鼻、白く柔らかい頬…、ふっくらとした唇……っ!」 ぶるぶると身体の震えが大きくなり、兄貴はぶわっと涙を溢れさせ叫んだ。 「うぉぉぉぉお!俺の弟世界一可愛いぃぃぃぃっ!!」 うざい。煩い。キモい。 …チッ…まだ我慢だ、まだ我慢しろ、俺。ゲームのためだ。 ガバッと抱きついてきたでかい男をすぐさま殴りとばしたいのを堪え先を促す。 「鐘兄、いいの?」 「もちろんいいに決まってるだろぉ!出かけよう!兄ちゃんと一緒にお出かけしような、鈴ぅぅぅっ!!」 言質獲得。
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