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あまりの低脳さに嫌気がさす。
なんだってこうも俺は馬鹿に絡まれるばかりするんだ。
『トラブルホイホイだな。』
脳裏を兄貴の笑顔と言葉がちらつく。
うるせーよ、違うっつってんだろ。
『そんな演技してるから絡まれるのよ。』
――…やっぱりこの見た目が駄目なのかな。
確かに変装するなら眼鏡を外して髪を上げれば誰も“僕”だとは解らないだろう。
だがそうすれば絡まれなかったかと言えばそうではないと断言できる。
「おい」
顔をさらした日には更に面倒事が増えるのは過去の経験から学習済みだ。
かといって今更変装の仕方を変えるのも不自然だしなぁ。
「おい!」
これが一番目立たず、人の記憶に残らないのだ。きっと学校の誰が“僕”を見ても気にもとめないだろう。
―…やっぱこれが一番なんだよな。
「おいっ!てめえ!!」
なんだよ、ギャーギャーうるせんだよ、カス。
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