主人公鉄則2「容姿端麗」

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そりゃそうだよな…。いきなり壁から変な奴が降ってきたら驚くよな。 気まずさに耐えられず男から視線を反らす。 さて、どう誤魔化すか…。 危ない人に追われてて―… 普通の人は壁飛び越えて逃げたりしないよな。 火事場の馬鹿力って本当ですね―… 逆に怪しいだろ。 あーもう、面倒くせぇ。別に何も誤魔化さなくても、知らない他人なんだからこのまま逃げればいいか。 幸いフードで顔隠れてるし、行きずりの奴ともう会うこともないだろう。 ならば、と駆け出そうと顔を上げ、そして違和感を感じる。 …なんか…近くね? 気配なく側まで近寄っていた男に驚いた。 こいつ…いつの間にっ!! じっとこちらを見つめるその顔をそっと見上げる。 …ていうか…なんかこの顔、見たことあるような……? いやいや、そんな馬鹿な。そんなはずは…… 嫌な予感に頬を伝う冷や汗を感じつつ、改めてその男の顔を見返す。 男はニッと口元をあげて笑った。 「――――っ…!!」 その笑みを見た瞬間、ゾワッと悪寒が走り、瞬時に身をひく。 男は一瞬微かに目を見開き、再び不敵な笑みを浮かべた。
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