主人公鉄則3「運動神経抜群」

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「お前、俺好みな顔してんじゃねぇか」 そう笑った男は得たいの知れぬ恐怖で動けない俺をいいことに、そのまま顔を近づけた。 ……――――!!……し…っ― 「鈴ー、起きろ。飯だぞー」 「死にさらせ変態――っ!!」 ガッと大きな音が鳴り響き目が覚める。 息を切らした状態で慌てて周囲を見渡せば、床に転がる兄貴の姿があった。 「――……夢……?」 ……良かった。 ホッとするとともにドッと力がぬけ、安堵の息をもらす。 「――…なんて悪夢だ」 この俺をこれほど恐怖させるとは……橘 悠樹……恐ろしい奴だ ゾワゾワと粟立つ肌をさすりつつ舌を打った。 あのにやけた顔を思い出せば、脳裏に昨日の記憶が鮮明に蘇る。
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