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「お前、俺好みな顔してんじゃねぇか」
そう笑った男は得たいの知れぬ恐怖で動けない俺をいいことに、そのまま顔を近づけた。
……――――!!……し…っ―
「鈴ー、起きろ。飯だぞー」
「死にさらせ変態――っ!!」
ガッと大きな音が鳴り響き目が覚める。
息を切らした状態で慌てて周囲を見渡せば、床に転がる兄貴の姿があった。
「――……夢……?」
……良かった。
ホッとするとともにドッと力がぬけ、安堵の息をもらす。
「――…なんて悪夢だ」
この俺をこれほど恐怖させるとは……橘 悠樹……恐ろしい奴だ
ゾワゾワと粟立つ肌をさすりつつ舌を打った。
あのにやけた顔を思い出せば、脳裏に昨日の記憶が鮮明に蘇る。
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