主人公鉄則3「運動神経抜群」

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『それに…貴方、僕の顔見たことないでしょう』 そうだ。学校では目立たず生活している。顔を誰かに見られたことなんて一度もない、それどころか“僕”を個人の存在として認識してない奴も少なくないはず。 そしてこいつと対面したのは今日が初めてだ。 『見たぞ。』 『……いつ見たんですか?』 『さっき壁飛び越えて来た時、フード、脱げただろ?一瞬だけ髪と眼鏡の隙間からな。』 そう言われて、思い返せば、フードが脱げた一瞬、確かに髪や眼鏡も風圧で多少浮き上がった。 だがわずか一瞬の出来事だ。ただでさえ髪と眼鏡で見えにくくしているのに――…まさかあの一瞬で見えていたというのか。それも、ほんの少しの隙間から……! ……本当に見えていたとしたら……その動体視力……こいつただ者じゃねぇな……。
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