主人公鉄則3「運動神経抜群」

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『なんだってそんな地味に装ってんだ?せっかくの可愛い顔がもったいねぇぞ』 “装ってる”。その言葉があまりに的確で、わざと顔を隠していることが見抜かれているようだった。 チッ…マジ面倒だな、こいつ。さっさと逃げたいが、どうやって…… シメて逃げるか…?幸い人目はない。だがこいつは同じ学校の、しかも有名人である。できれば目立ったり面倒な可能性は避けたい。 かといってこのままでは己の身が危うい。 身の危険が深刻になってきたころ、ふと考える。 ―…ってか、こいつ本当に噂通りなのか? “泣かされた女は数知れず”、“性別関係なしの節操なし”、“天性の軟派男”―… 噂じゃ色々言われてるみたいだが噂なんて大概尾びれに背びれがついて適当なものが多い。 こいつに泣かされた女は数知れず…ってのは、学校の女共を見る限り本当っぽいが後のは……漫画じゃあるまいし現実にそうそう“あっちの人”は居ないだろ。 そう考えると希望がわいてきた。 普通、男が男を口説かないだろうし、……こいつ、もしかして俺のこと女だと思ってんじゃないか?ほら、それこそラノベとかでよくある“僕っ娘”的な感じに……
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