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それはそれで許しがたいが、しかしむかつくことに、顔で俺のことを女と勘違いするやつは過去に何人か居た。
いつもならそんな奴はボコ殴りだが、今日はこの状況を切り抜けられるならなんでも良い。
『あの―…』
『ん?どうした。』
いやいや、どうしたじゃねぇよ、この色ボケ野郎。なんだこの体制は。
またも顎に指をかけられ、ゾワッと肌が粟立つ。
それを堪えて、口を開く。
『僕、男なんですけど…』
さぁ、わかったらさっさと手を離せ。
そんな意味を言外に含めるも、驚きの声もあげず何も言わない橘を不審に思い様子を伺うように見上げる。
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