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それと同時に橘がフッと口端を引き上げた。
――…笑っ…!?
『何言ってんだ、そんなこと解ってるぞ。好みならどっちだって良いんだよ、俺は』
おかしなことを言うなといわんばかりに笑う橘に瞬間、サァッと全身の血の気が引くのを感じた。
―…こいつ、変態(ほんもの)だ…っ!
ドン引きを通り越して畏怖の眼を向ける俺に構うことなく、橘が言葉を続ける。
『お前だって俺の噂知ってんだろ?“同じ学校”なんだからな』
『な……っ!!』
橘の言葉に愕然とする。
何故…!?学校では良くも悪くも目立つことなく、存在感を消して過ごしている俺を、なんでこいつが知っている!!
俺の―…いや、僕の振る舞いは完璧である。
“クラスメイトの1人”
“そう言われればそんな奴も居たかも”
同じクラスの奴でさえそれくらいの認識の奴がほとんどのはずだ。
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