主人公鉄則3「運動神経抜群」

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それと同時に橘がフッと口端を引き上げた。 ――…笑っ…!? 『何言ってんだ、そんなこと解ってるぞ。好みならどっちだって良いんだよ、俺は』 おかしなことを言うなといわんばかりに笑う橘に瞬間、サァッと全身の血の気が引くのを感じた。 ―…こいつ、変態(ほんもの)だ…っ! ドン引きを通り越して畏怖の眼を向ける俺に構うことなく、橘が言葉を続ける。 『お前だって俺の噂知ってんだろ?“同じ学校”なんだからな』 『な……っ!!』 橘の言葉に愕然とする。 何故…!?学校では良くも悪くも目立つことなく、存在感を消して過ごしている俺を、なんでこいつが知っている!! 俺の―…いや、僕の振る舞いは完璧である。 “クラスメイトの1人” “そう言われればそんな奴も居たかも” 同じクラスの奴でさえそれくらいの認識の奴がほとんどのはずだ。
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