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愉しそうに笑うその余裕綽々な顔がなんとも忌々しい。
焦る気持ちを落ち着けて冷静に考える。
――…名前だけでなく、家の場所まで調べたのか。
面倒な展開に、内心舌をうつ。
昨日一晩でここまで調べあげるとは……正直驚きだ。ここまでやるとは思ってなかった。
「――…なんで僕の名前と家を知ってるんですか」
「ちょっと調べさせてもらったぞ」
「…どうやって……?そんなこと調べられるはず……」
口ではそう言いつつも頭でそれを否定する。
確かに名前も何も知らない状況で、情報の規制が強い現代、高校生が普通に調べられるものではない。
だけどそんなもの、いくらでも抜け道がある簡単なことだ。
ましてや橘の情報把握のこのスピードの早さ。
大方、正規のやり方ではないだろう。なんとも心強い情報源を持っているようで。
――…思ったより厄介な奴みたいだな。
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