主人公鉄則4「頭脳明晰」

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そう言い、水城は口端をつり上げてフッと笑った。 「君って本当、面白いね。自分でも十分に理解してるだろうに、それを覆してまで、どうにかできると……いや、そうだね、“出来ない”と解っててそれすらどうにか覆そうとしてるのか。 ――…そうゆう懸命にも無様に足掻く様を見るの、嗜虐心をそそられて好きだよ」 珍しく本当にいい獲物を見つけたじゃないか、悠樹。 愉しそうに笑い細められたその瞳は、本当に“獲物”を見る目――…あの時の橘と同じ目だった。 ゾワリ、と身の毛がよだる。 ――…類は友を呼ぶ、ってか。 こいつ、見た目は絵に書いたような真面目な優等生なくせに、さすが問題児(トラブルメーカー)というわけだ。変態とつるむのも頷ける。 「だから前からそう言ってんだろ―が、絶対“面白い”って」 こいつら二人共ド変態だ!しかも超ド級のサディスト! いや、俺も大概人のこと言えないだろうけど、でもそれとこれとは別だ。俺は少なくとも変態ではないし。それより問題なのは、今、こいつらの嗜虐心のベクトルが俺に向いてるということである。
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