主人公鉄則4「頭脳明晰」

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『――――…………ッい……っ!!』 グッと掴む手を強く引き寄せ、腕をひねりあげる形で、橘を拘束する。 そのままその手を上に引き上げれば自然と身体が前のめり、地面に倒れ伏せた橘の背中を片膝で押さえつける。 『さて、と』 呟いて、視線をあげれば唖然とした水城と視線が合い、にっこりと笑いかけた。 『――……簡単に引っ掛かってくれてありがとう。この隙(しゅんかん)を待ってたよ』 『――……やられたね』 悔しさから浮かび出る苦味をこらえて、水城が片頬をひきつらせた笑みを浮かべる。 『っ……てめぇ……!!このっ鈴っ…!卑怯な手ぇ使いやがって……っ!』 『うるさいな、お前に言われたくないよ。俺も卑怯な手を使って何が悪い。腕へし折られたくなけりゃ黙ってろよ』 ていうか、気安く呼ぶなっつってんだろうが。 喚く橘に吐き捨てるように言い、少しばかり腕を引く力を強める。 『……――――っ!』 『……さて、水城。俺が何を言いたいか、もうわかってるだろ?』 『――……まぁね』 にっこりと笑いかければ水城が頷いた。
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