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そして現在、気分は最下降中の放課後。
憂鬱な居残りは、更に憂鬱な展開となっていた。
今までこの高校では、試験の手を抜き成績は常に中間よりやや下―…最も目立たないだろう位置を保ってきた。でもその反面、赤点や居残りには絶対にならないようにしていた。
プライド…の問題も多少はあるが何よりも――……印象に残らないようにするために。
赤点や居残りは教師にはもちろん目をつけられるし、周囲の奴らの記憶に嫌でも残る。――…“僕個人”の印象が。
目立ちたくない俺にとってそれは何よりも避けたいことだった。……そう、そのはずだった。なのに―…
――……あいつら……やっぱいつか絶対殺る。
自分の置かれた状況に内心、決意を新たにしつつ、小さくため息をついた。
たった今、教室内に居るのは俺を含めて二人――…そう、二人。
どうやら今回の小テストを受けなかったのは、俺達二人だけらしい。
言われた教室に来てみれば、居たのは教師でもなく、また数人の生徒でもなく、たった1人。彼曰く教師は小テストを二人分渡すと、終わったら持ってくるように告げ、さっさと去っていったらしい。
ふさげんな。
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