主人公鉄則4「頭脳明晰」

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「――そ…そう…かな…。……難しくない……?」 はは、と自信なさげに笑ってみせる内心、酷く動揺していた。 ――……吃驚した。 あまりにも彼の言葉がタイミングが良すぎて、自分の考えを見透かされたかのようだった。 「――そう?」 「……うん。すごいなぁ、如月くん。もう全部終わってるの?さすが学年トップだね…」 印象に残りたくないから本当はあまり会話したくないんだが……この状況では無視する訳にもいかず、仕方なく会話を続ける。 「簡単だったから」 「そっかぁ……あ、全部終わったなら先に先生の所に持っていっていいよ?その方が如月くん早く帰れるだろうし……」 ていうかむしろさっさと帰れ。 一分一秒、少しでも一緒に居る時間を減らしたくて、内心強く念じながら口を開く。 「ん――…いや、待ってるよ。どうせ二人だけなんだし一緒に持っていった方が効率良いでしょ」 いや、頼むから待ってないで早く帰ってくれ。 なんて口に出す訳にもいかず、俺は高まる嫌な感覚を誤魔化して曖昧に笑った。 「ありがとう。でも待たせるのは悪いし…」 「いいよ、別に」 如月はそう言うと、答案を机に伏せて置き、立ち上がる。そして俺の前の席に座り、肩肘をついてこちらを見た。 完全に待つ体勢である。
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