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――前々からお前は怪しいと思ってたんだよ――……
ヒヤリとした汗が頬を伝う。
目の前で笑う如月を見上げ、ひきつる表情に無理矢理笑みを浮かべて、口を開いた。
「――……え……?」
しかし出てくるのは困惑した声のみで発したかった言葉には至らない。
――……今、一体何を……?
あまりにも急だったそれは、自分の想定外のもので、驚愕のあまり、俺は未だに混乱の最中に居た。
「…な、にを…言ってるの…?」
冷静さを欠いた状態で、いつものような思考もできるはずがなく、動揺を隠せないままに俺はなんとか言葉を口にする。
そんな俺の様子を黙って笑みを浮かべたまま見据えていた如月は、更にその口元の笑みをニッと深めた。
「なに、急に言ったから驚いた?それとも予想外過ぎた?――……ああ、その両方か」
「―――………。」
――……こいつ……。
こちらの考えを見透かすようなその問いかけに、困惑する頭を無理矢理落ち着かせ、なんとか言葉を返す。
「……何のこと……?さっきから何を言ってるの?如月くん」
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