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「へぇ?もう落ち着いたのか。さすがに頭の切り替えが早いな。しらをきるつもりみたいだけど――……残念ながらそれは無理だ」
余裕綽々な態度で愉しげに笑うその表情は、種類は違えどあの二人にそっくりで。
――……さすが三大問題児(トラブルメーカー)の1人ってわけだ。
皮肉を呟く声を飲みこんで考えを巡らす。
向こうの言葉に迷いはない。つまり何らかの確信を持って言っているのだろう。
――…こいつは“何”を知っている?
落ち着け、冷静になれ。
自分に落ち着くように言い聞かせ、如月の次の言葉を待つ。
すると、如月はジャケットのポケットから一枚の紙を取り出すとピラリとこちらに掲げて見せた。
「これ……――何だと思う?」
ニッと目を細めた如月の、その手に持つ紙には、グラフ化された何らかの数字。
「――……なに?」
何を表すものか分からず、じっとそのグラフを見つめる俺に、如月が言葉を続けた。
「――……このグラフの数字には、よく覚えがあるんじゃないか?」
そう言われて紙を再度じっと見つめる。
……その数字、は――
「――――……っ……!!」
瞬間、驚愕のあまりに目を見開いて、思わず息をのんだ。
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