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「気づいたか?」
愉しげな笑みを浮かべる如月の、その手にある紙に印刷された、グラフの数字。
それは――……
――……俺の今までの全試験の点数……っ――!!
「…っ…なんで……っ!!」
なんでこいつが知っている……っ!?
思わずこぼれた悲鳴に近い声に如月が更に口角をあげた。
「情報源はあとでゆっくり教えてやるよ。それよりも、その反応をみる限り、この数字には十分覚えがあるみたいだな」
「………っ……」
「これを見て瞬時にこの数字が何かを把握したということは――……今までの自分の点数を全て覚えてる……と、いうことだ」
――っ……しまった……っ……!!
焦りのあまり冷静さを欠いてしくじった自分の落ち度に、内心舌を打つ。
くそ……っ!!
「本当はこれだけでもう既にその記憶力が並外れている証拠になるが……」
「……たまたま覚えてただけだよ」
じっとこちらを見据える如月から顔をそむけ、小さく呟く。
そんな俺に対して、如月は1つ大きくため息を吐いた。
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