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「……認めるつもりはないみたいだし?たまたま、ねぇ……随分と無理がある言い訳だけど、まぁいいさ」
本当に楽しいのはここからだしな
如月が愉しげに目を細めて呟く。
「とりあえず、この数字がお前の今までの点数であることに間違いはないわけだな。そこで、だ。このグラフはそれぞれの試験の学年平均なんだが」
如月はそこで一度言葉を切った。
そしてこちらを見据えて愉快そうに笑う。
「これは解ってるよな」
それは解っている。
如月の視線に小さく頷いた。
――……そして今は、否が応にも如月のこの先に続く言葉も解ってしまっていた。
「じゃあ、俺が言いたいことももう解ってんだろ」
思わずゴクリ、と微かに息を飲み、喉がカラカラに渇いていることに気づく。
――……喉が酷く乾燥して痛い。
痛む喉に知らず知らず、自分が思いの他、動揺し緊張していることを知る。
ここまで動揺するのは一体いつぶりだろうか。
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