主人公鉄則5「お人好し」

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如月がそれを告げて笑みを深めたその瞬間、頭が一気に冷めたかのように冷静になる。 そして誤魔化すことは不可能だと悟った。 ――……彼はもう全てを知っているのだ。 そう思うと自然と思考が切り替わった。 「――――……」 顔を俯かせ、はぁー…、と重たく長い息を1つ吐き出す。 そして顔をあげると同時、鋭い視線を如月に向けた。 「――……さすが秀才、とでも言っておくか」 低く、言葉を吐き出した声色は、演技も戸惑いも全てを拭いさり至極平坦だった。 「――……なんで気付いた?」 成績を調べあげるほどだ。 何かしら“僕”に違和感を感じるきっかけがあったはず。 それを問えば、如月は一瞬軽く目を見張り、すぐに再び愉しげな笑みを浮かべた。
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