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シメて黙らせてもそれは同じことだ。彼の握った“証拠”は彼の頭の中にある。それがある限り、こいつを黙らせることはできないだろう。――……そうなればこいつは容赦なく“弱味”を暴露する。
……つまりどちらも事態を悪化させるだけだ。
正に窮地に追い込まれた状況。要望をのむしかないのだろうか……？
くっ、と歯を食い縛り、愉しげに細められた目でこちらを見据える如月を睨み付けた。
「――……何が目的だ」
低く、呟くような問いかけに如月が笑みを深める。
「やっぱそうこなくちゃね」
「……まずはその要望とやらの内容を聞くだけだ。それをのむかどうかは聞いてから決める」
本当は聞きたくもないけれど。
それは口に出さず、睨みあげるように視線を如月に定める。
「早くしろ」
「まぁいいさ。お前はこの要望を飲まざるを得ない。必ずな」
如月がニィッと口端を引き上げて笑う。
その言葉に内心引っ掛かったが、それよりも早く如月が口を開いた。
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