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「――俺と友達になれ」
「――……はぁっ?」
予想外のその聞き覚えのある言葉に俺が叫んだのと同時、スパァンッと勢いよく教室の扉が開く。
「てめぇぇえしゅんんん!!抜け駆けしてんじゃねぇ!!」
そしてこれまた聞き覚えのある……しかし聞きたくはなかった声が響き渡った。
「――っ……げっ!!」
橘……っ!!
思わぬ人物の唐突な登場に、思わず顔をしかめ心の声を漏らす。
「よぉ。早かったな、悠樹」
しかし如月はそれに構わず、ましてや橘の怒りにも構わず、平然として言葉を返した。
「早かったな、じゃねぇわこの抜け駆け野郎!お前がメールで『標的(ターゲット)追い詰めた』って呼び出したんだろうが!!」
「違うな。お前に送ったのは『獲物に急接近なう。』だっただろ?それは拓哉に送ったメールだな」
「てめぇぇええっ!!やっぱりあのふざけたメールはわざとか!!」
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