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「ふざけたメールってなんだよ。お前がいつも送ってくるメールだいたいあんな感じだろ。真似してやったんだよ」
橘の怒りを煽るようにヘラヘラと――ただしだるそうな表情のままなので尚更腹がたつ――言葉を吐き出す如月。
――……あの半目の顔、イラッとするな。
状況が読めず戸惑う中、頭の片隅でそんなことを考える。
「この際そんなことはどうでもいいんだよ!!」
いいのか?
思わず内心でつっこむ。
当然、その言葉は彼らには届かず、橘が続けて吠える。
「そうやって人を呼び出しといて抜け駆けしやがって!『“俺”と』じゃなくて“『俺たち”と』だろうが!!」
「え、だって勝負に勝ったの俺だし。お前ら負けてんじゃん」
……ちょっと待て。
――……“勝負”?
嫌な予感に微かにピクリと肩が揺れた。
ギャーギャーと言い合いを続ける橘と如月の言葉に、先ほどからものすごく引っ掛かるものが含まれている気がするのは気のせいだろうか。
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