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しかし堪えた様子は全く無く、如月は更に笑みを浮かべて言った。
「どう考えたってさっきのは俺の勝ちだろ。お前を追い詰めて負かしたんだからな」
「負けてねーよ」
この俺が負けるわけねぇだろうが。
嘗めたこと抜かしてんじゃねぇぞ、と睨み付けるも、如月がそれには応じることはなく愉しげな笑みを深めるばかりだ。
「素直に認めろよ。まぁとにかく、お前を負かした俺は、つまり“勝負”に勝ったわけだからな。約束通り、俺の友達になってもらおう」
「“俺たち”の、な」
横からすかさず橘が指摘するが、問題はそこではない。つっこむべきところはそこじゃない。
「なんでお前に負けたからってお前らと友達になんなきゃいけねぇんだよ!」
“勝負”を買ってやったのは橘と水城であって如月は含まれていない、だから“勝負”に負けたことにはならない。
例えもし百歩譲って如月に俺が負けたということにしてやっても、だ!
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