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「負ければ橘たちの友達になる……確かに俺はそう約束した上で勝負を受けた。それで間違いないだろう?橘」
視線を如月の背後、つまらなさそうに突っ立っている橘に投げ掛ける。
「ああ、そうだ。“俺たち”が勝てば、お前は俺たちと友達になり、“俺たち”が負ければ、お前から手をひく。それで間違いねぇぞ」
視線に気付いた橘は表情を愉しげな笑みに一転し、頷いた。
そう、確かに俺はそう約束した。“彼ら”に負けるはずがないと判断したからだ。
だがそこに……何度もいうがその“勝負”の相手に如月は含まれていない。
「俺が勝負を受けたのは橘と水城だ。如月、お前はその“勝負”に参加していない」
お前に負けたからって“勝負”に負けたことにはならねぇんだよ。
そう言い放てば如月はにっと口端を引き上げて笑う。
「お前が言ったことは論理的には間違っていないな。……だが、お前の言い分は根本的な前提が間違っている。残念ながら、俺も参加しているんだ」
その“勝負”とやらにね。
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