ストリートバスケ

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先に沈黙を破ったのは五月だった。 『捺月、軽音部はどんな感じ?』 ふと、思った。きっと、五月には今の沈黙もどうってことないんだろうなぁ。 少し虚しくなる。 『楽しいよ、先輩達は受験とかで忙しいらしくて来てないけどさ。やっぱり、バンドって最高。』 捺月は五月の背中に寄りかかる。 『捺月、ギターだけは上手いもんな。』 五月はバカにしたように笑った。 でも、捺月はボーッとしていた。 『捺月?どうした?』 いつまでもツッコミがなくて、五月は聞き返した。 『別にー。五月はさ、インターハイだよね。スタメン、入ってよね。応援行くから。』 捺月は自分の不思議な感情に違和感を覚えた。 『……あぁ。』 五月も反応に不自然な間があった。 ビミョーな空気が漂った。
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