最初は小さな嘘でした。

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こいつ… ニコニコしている亜乃にイラつく。 私は体が弱かった いや現在進行系で弱いんだけど…… まだこの前した点滴の痕も残ってるし っと今はそんなことは置いといて。 何かと病気持ちの私は、大体の女の子の成長期である小学校高学年から中学にかけて、背が伸びにくくなる骨の病気にかかっていた。 まだ治ったわけではないけど 成長が止まった今では治ったも同然。 この病気のせいで身長が伸びなかった私は、小学校のころまだ成長期を迎えていない男の子より背が低く もっと言うなら学年で一番背が低かった私は背が低いことをからかわれたのだ。 それも 《お前病気なんじゃね》 という差別ともとれる言葉をたくさん言われた。 かーなーり傷ついた私は泣いた。 別に傷ついたけど泣くほどじゃなかったんだけど 引っ込み思案で人見知りの私は、どうしたらいいのかわからない緊張と戸惑いで涙目になって俯いていた。 するとそれを泣いていると勘違いした周りが騒ぎ立て、私への身長のことの問いかけは禁句になった。 正直身長のことを聞かれるのは嫌だったからありがたかった。
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