最初は小さな嘘でした。

11/31
前へ
/138ページ
次へ
どんどん周りが成長するのに対し 私はいまだに美音と歩いていると小学校の友達?と聞かれる始末 そんな出来事は私の中で劣等感として残った。 でもそれを表に出さずに笑う。 笑顔を作る。 「145だったかなぁ」 「…そっか」 ようやく禁句だって思い出したみたい 気まずげにチラチラと見てくる視線を感じながら前を見たまま笑顔を崩さない。 私は気遣ってあげるほど優しくない。 さり気なく時計を見る 思わず顔をしかめるがすぐ笑顔に戻す いつも乗っている電車が出発するまで後1分 今歩いているところから駅まで亜乃と一緒なら5分ほどかかる いつも乗ってるのは諦めるか…… 私1人なら2分ほどで着くんだけどなー 亜乃は歩くのが遅い 駅の改札に着き、人の流れにそって改札口を通る。 あれ…亜乃がいない ふといつもならすぐ後を通ってくる亜乃が居ないことに気づく 高校に入学して早1ヶ月 仲の良かった友達で同じ高校にきたのは亜乃だけ 中学の友達は行動時間が合わなくて、必然的に2人で行動する事が増えた。 この1ヶ月でこういうことがよくあった
/138ページ

最初のコメントを投稿しよう!

51人が本棚に入れています
本棚に追加