最初は小さな嘘でした。

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pipipipi... ハッとしてガバッと起き上がる。 時計の文字は7時ということを表している。 少しの間、呆然とその文字を見据えカチッという音とともに1に変わった数字を見て。 ヤバい!遅刻だ! そう思うと同時に2階にある自室から飛び出した。 バタバタと階段を駆け下りながら、どうして今日は起こしてくれなかったのだ、という八つ当たりにも似た理不尽な怒りがこみあがる。 1階に着き勢い良くリビングに飛び込む。 「どうして起こしてくれなかったの!?」 そう喚いた私をチラリと見たお母さんは何も言わず再び朝食を作り出した。 低血圧なのに朝から急に動いたり喋ったせいでクラリと目眩がした。 無視されたことに動揺しつつまだクラクラする頭をおさえる。
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