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「いや、これと言って深い意味はないさ。ただ後輩や先輩みたいな上下関係の付き合いが少ないからどうしても同僚との付き合いの方が楽に感じるからじゃないかな」
ホムラは困ったようにそう答える。
「なるほどね。でも、いい加減慣れてあげないとこの子が気を使うんだからね」
私はノエルの両肩を後ろから掴みホムラにそう言った。
「そうだな。確かにそれもそうか。ごめんな、今度から気をつけるよ、ノエル。」
ホムラが頭をペコリと下げようとすると、ノエルが慌ててそれを止める。
「い、いえ、そこまで気にしてないので大丈夫です!こちらこそ気を使わせてすみませんでした」
お互いなんとか折り合いがついたところでホムラが口を開ける。
「では、そろそろ本部へ案内お願いするよ、ノエル」
「はい、了解しました!」
ノエルは嬉しそうに敬礼でそれに答えた。
私とホムラは立ち上がると、魔物の死骸はそのままにしてノエルの案内の下歩き始めた。
現在森の入り口から数メートルほど内部に3人はいる。
あまり森の内部まで逃げられなくて良かったと息をつく。
背後に広がる針葉樹林の奥地まで逃げられ、それを奥地まで魔物だけに集中し、追いかけていたら今頃迷子になっていただろう。
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