第一章 影の始まり

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《2》 「隊長!お願いです!考え直してください!」 年老いた男は机に両手をついてそう言った。 もう十数回聞いた言葉に俺、ホムラ=ヤマガミは深くため息をついた。 「だから、何度も言ってるだろ!私が個人で動く!国央会は信用できん!」 「ですが、あなたは国央軍の四画、“炎刃”なのですよ!もしものことがあれば…」 もういい加減この文句にも飽き飽きだった俺はバンっと机を叩く。 「もういいっ!これは策謀部との協議の上での決定だ!すまないが出て行ってくれ!」 言われた老人、軍のご意見番であるアルフはまだ何か言いそうな顔をしていたが、大きくため息をつくとドアに向かって歩き出した。 ドアを開け外に出ようとするアルフの横を若い隊員が通り過ぎようとする。 「これはアルフ殿じゃないですか!その様子だと隊長に追い出されたのですね」 若い隊員は苦笑を浮かべながら通り過ぎるアルフに声をかけた。 「これは、エドウィン副隊長。副隊長からも隊長を説得してくださいよ」 「了解しました。善処してみます」 ありがとうございますと頭を下げ、アルフは部屋から出て行った。 エドウィンと呼ばれた隊員は部屋に入り、ドアを閉めると俺が座る机へと近づいた。
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