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「よく策謀部が賛成したな」
俺は椅子から立ち上がると窓の方に近づき、外を見た。
空はもう少し赤らみ始めている。
「国央会の中に何やら不穏な動きがあるらしい」
「国王直属中央審議会か。
確かに怪しい年寄りの集まりだからな、有り得なくはないか。
けど、それとホムラの個人行動とどう関係があるんだい?」
エドウィンは俺の隣に並びそう尋ねた。
「一度、査問部の査問が国央会のじじぃ共に入ったらしいんだが、何も出なかった。
俺も策謀部も奴らがそこまで直接的に動いているとは思ってないし、それに…」
「それに…?」
「ある組織の嫌な噂を聞いた。“ガトムス商会”って聞いた事があるか?」
エドウィンは頷いた。
「軍部全体に武具を流通させている企業だろ?予算会議でよく名前を聞くよ」
「最近、妖国と繋がりがあるみたいだ。あくまでも噂だが…」
再び席につくと、エドウィンは窓の手すりにもたれかかり俺のほうを見た。
「なるほど、それはきな臭くなってきたね」
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