第一章 影の始まり

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部屋を出ると、隊長がいる隊長室に向かった。 私は白の塗料で塗られた壁が挟む青色のタイルが敷き詰められた廊下を進む。 前を見て歩いているが、頭の中は隊長の呼び出しの理由を考える事でいっぱいだった。 悪い事した覚えはない。ティナにはそう言ったし、私自身、何かやらかした記憶はないがどうしても考えてしまう。 (一昨日の魔物の討伐任務の報告書は昨日提出してOKもらってるし…。今日の任務は昼からだし、何の用かなぁ?) 一級兵になればそれなりに隊長との交流も増えるが三級兵の私は皆無に近かったし、呼ばれる理由がまるで検討がつかなかった。 三階への階段を丁度登り終え、角を曲がってすぐの隊長室、考え事をしていたせいか、案外早く着いた。 とにかく、直接話を聞くしかない。 衣服を整え、肩まで伸ばした毛先に若干癖のある、この辺では珍しいシルバーブロンドの髪に手櫛をいれた。 一回軽く深呼吸してから、ニヤ塗りの美しい木製のドアをノックする。
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