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コンッ、コンッという綺麗な音の後に女性の声で「入りなさい」という返事が帰ってきた。
「失礼します」
私はドア開け、中に入り、ドアを閉めてから前に向き直る。
「シズク三級兵、只今参りました!」
右手を持ち上げ、敬礼すると気をつけの状態で隊長の言葉を待った。
「ああ、あなたがシズクさんね!ご苦労様。とりあえず、そっちのソファーに腰掛けて待っててくれる?この資料だけは目を通しときたいの」
「はい」と頷くと私はソファーに腰掛けた。座り心地から良い素材で出来たものだと伺える。
座ってから一息つくとちらっと隊長の方を見やった。
ロングの赤髪が美しく、それに釣り合った美しい美貌と体型、掛けられた眼鏡と唇に引かれた濃いルージュが大人の雰囲気を醸し出している。
隊内の噂では四十前という話だが近くで見るととてもそんな風には見えない。
そんな要望を持つのが我らがノース訓練所の女隊、メリル=ノースヴァルト隊長だ。
するとメリルは資料を机に置き、体を伸ばすと立ち上がった。
どうやら、資料を読み終えたようだ。
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