第一章 影の始まり

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「待たせてごめんなさいね。飲み物は紅茶でいいかしら?」 「い、いえっ!お構いなく!」 隊長にそんなことしてもらうわけには!私はそう思って両手を振って遠慮する。 「ふふっ!今日はそんな堅い話はしないから安心しなさい。紅茶でいいわね?」 優しく微笑みそう言われたら頷くしかない。 メリルはソファーの後ろにある食器棚からカップやポットを取り出し手早く紅茶を入れる。 「今日は急に呼び出してごめんなさいね。朝は非番だったんでしょう?」 棚から角砂糖の入ったポットを取り出し、机に置くと、向かい側の席に座った。 「いえ、特に用事もなかったですし、大丈夫です」 冷静にそう答えるが、内心、初めてさしで話すメリルとの会話にかなり緊張していた。 声に震えが出てないといいけどと思いつつ、気を落ち着けるために紅茶に口をつけた。 「今日は頼みがあってあなたを呼んだの」
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