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「えっ、おれも・・?」
黒い布に、黄色の絵の具で色をつけていた少女が驚いて、聞き返す。
「当たり前。もちろん、三谷もな。」
「はっ、俺もかよ!?」
陽一の言葉で、三谷と呼ばれた少年もダンボールから手離し、自らを指差した。
「ほら行くぞ。」
「待ってよ、うちこれやらんと・・・。」
絵の具の少女は、あたふたしている。
「由乃もだぞ!」
陽一が言い放ち、絵の具の少女、、、由乃は「はーい」と返事をして筆をおいた。
「うんじゃあ、いくか」
翔夜の合図で<「1-C>の教室に残っていた生徒たち8人は、一斉に立ち上がった。
そして、教室を出て、東館4階、<呪われた教室>を目指した。
<御堂高校 1年C組>
コレが、彼ら8人に共通するステータスだ。
県内でもトップクラスの進学校に、4ヶ月前同時に入学した。
夏休みも残りわずかに迫った本日だが、9月の頭にある<文化祭>の
クラスの出し物(お化け屋敷)の準備のため、8人はさきほどまで残って準備をしていたのだ。
はじめは、20人近いクラスメイトが残っていたが部活や勉強の関係で、
ほとんどの生徒が、もう教室にはいなかった。
そして、現在残っていた8人は、<開かずの扉>の奥にある、<呪われた教室>を目指している。
そういう状況だった。
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