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僕と如月君は楽しく話しながら学校へ向かう。 そして校門前にある桜の木に挟まれた道を進んで行く。 今では5月にも入り桜の花びらは完全に散って緑が生い茂る。 桜は綺麗だ、でもやはりいつまでも花びらがあるわけじゃない。 そこには無常がありもののあわれをしみじみと感じる。 僕はその桜の木の下にある人を見つけた。 「あの人……」 あれは始業式の日だった。 その日は桜が満開で空は快晴、まさしく始業式日和だった。 僕はちょっと早めに学校へ向かっていたためかあまり人がいなかった。 そして校門前の道に差し掛かった瞬間ある光景が目に飛びこんだ。 桜が散る道の真ん中で1人の女の子が風に髪を揺られながら立っていた。 僕はあの光景を1度も忘れたことがない。 なぜならあれほど桜と合いすごい綺麗で それでいて儚げな感じもあったからだ。 彼女がこちらを笑顔で振り向いた時も 僕は終始見とれてしまっていた。
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