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今日では昔からの言い伝えが僕が住んでるこの町、相楽町に住んでいる人ならば誰でも知っている。 その言い伝えというのは 相楽町に臨む海岸で、ある夜になると城に続く道が現れ、さらに望みが1つ叶う… でも誰もこの城に行けた者がいる話をまだ聞いたことがない。 そのため誰一人としてこの言い伝えを信じようとしない。 ちょっと前までは、ちょっと前と言っても10年ほど前なんだが、何があったのかひそかに日本中に知れわたり 一時はあの城に赴こうとこの町にたくさんのカップルが訪れ賑わっていた。 もちろん誰も行けた者はいないのだが、そりゃあ城に続く道が現れるのだというからそんなロマンチックな時を過ごそうとするカップルがたくさんいてもおかしくはない。 今はもう信じる人はいなくなったのか あんだけ賑わいを見せていたこの町も、まるで砂場に作った山がいつの間にか消えているように、だいぶ静かになったものだ。
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