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キーンコーンカーンコーン
放課後になり約束していた場所に行くと先に野ノ浦さんは来ていた。
彼女は僕の方を見るなりいつものようにそっけなく言う。
「じゃあ行きましょうか」
案の定僕は荷物持ちになり、両手に買い物袋を4つと賑わうセンター街を足取りを重くして歩いていたのだ。
これもこれもと渡されるものを素直に受け取るも、なるほど彼女は服など自らの欲する物を買いに来たのかと思えば
全部タイムセールとかで安くなってる食材を購入していた。
「野ノ浦さんは普段家で料理するの?」
「ええ、私のとこは親が離婚して母が女手ひとつで私を養ってくれてるの
だから負担を少しでも少なくするために家事は手伝っているわ」
「野ノ浦さんはすごいね」
「別にすごいことじゃない
たとえ親が離婚していなくても家事の1つや2つくらい手伝っているわ」
彼女の眼を見ると今自分のできることを必死にやってることが伺えた。
「買い物はこれで終わりよ
じゃあ帰りましょうか」
「うん」
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